絵本選び「良い絵本」とは?

絵本の魅力や効果については色々と言われているし、子供たちのために積極的に読んであげたいと思うけれど、いったいどんな絵本が良いのかしら?そんな疑問に『三びきのやぎのがらがらどん』等の翻訳でも有名な瀬田貞二氏が答えてくださっています。

児童文学作家で、翻訳家、研究者の瀬田貞二氏は『絵本論』で、人が最初に出会う本である絵本について、「すぐれた絵本につちかわれた土壌は、のちによい鉱脈になること。すぐれた絵本で出発した道は、自由な読書の大道につながること。」そして「幼い子供たちが絵本のなかに求めているものは、自分を成長させるものを、楽しみのうちにあくなく摂取していくことです。これまでの限られた経験を、もう一度確認して身につけていく働きや、自分の限られた経験を破って知らない遠方へ———活発な空想力に助けられて、解放されていく働きを、絵本がじゅうぶんにみたしてくれることを求めます。いいかえれば、小さい子たちが絵本に求めているのは、生きた冒険なのです。絵本は、手にとれる冒険の世界にほかなりません。」と述べています。

子供たちは冒険の世界を体験しているから何度も何度も「もう1回読んで!」というのですね。

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また、氏はだれもが知っている『三びきのこぶた』について、イギリスで100以上の版を越えて愛されているレズリー・ブルックという画家の絵本と、日本のけばけばしいアカ本を例に、いい加減な子供だましお話では子供はすぐに飽きてしまうであろうこと。一方、素晴らしい絵本には、子供たちは本物の魅力を忘れることができずに、幾度もその絵本を開いて、その物語とその絵との印象がやらわかい心のどこかに深々と根をおろし、小さな者の精神のすくすくと伸びる根底をつちかうのだと述べています。

子供って素晴らしいですね。一時の刺激的なものよりも、たとえ静かなものでも何故か何度も目や耳を奪われるものを感じています。息子は出先で買ってもらったアニメ絵本の『ももたろう』は数回しか読まず、一方で『ももたろう』(まついただし著 あかば すえきち絵 福音館書店)は大好きで、一緒にきびだんごまで作ったほどでした。

新潟県出身の児童文学作家、斎藤惇夫氏も、子供たちには良い絵本を与えるべきだと言います。良い絵本を選ぶ基準は「この本が曾孫の代まで残るかどうか」だそうです。イギリスには“三代続いたものでないと絵本とは言えない”ということわざもあるとか。

自分が子供の頃に大好きだった絵本、子供たちも好きなのにはこういった根拠があったのですね。ますます絵本を大切にしたくなりました。お気に入りの何冊かはきっと子供たちが大人になっても手放さないでしょうけれど、残りは孫たちに取っておけたら良いなと思います。

◆絵本の選び方(斎藤惇夫氏)
 1.本の造りがしっかりしているかどうか確かめること。
 2.声に出して読んでみて、読みやすく面白いかどうか確かめること。
 3.ページをめくりながら、絵が物語を十分に語っているか、あたたかくユーモアに富んでいるか、デッサンも色彩も構図も、我が子がものを深く見たり感じたりする力を育んでくれるものであるかどうか、懸命に五感を働かせて選ぶ。

◎絵本選びに迷ったときに。
『ぐりとぐら』や『いやいやえん』などの作者中川 李枝子さん絵本エッセイ『絵本と私』は、温かい気持ちになって、持っている絵本もそうでない絵本も、思わず手に取ってみたくなります。読み物としても楽しい一冊です。

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◎子供と絵本の関係、絵本の魅力を知りたいときに。
瀬田貞二さんの『絵本論』は、第一章の「絵本に出あう」だけでも一読の価値があると思います。

(reina)

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